社債の仕訳の基礎

会社が社外の投資家などから資金を調達する方法には、株式を発行するほかに社債を発行するという方法があります。

社債とは、会社が社債という債券を発行し、これを社外の投資家などに購入してもらうことにより設備投資や事業拡大などに必要な資金を調達するものです。

社債は会社の発行した債券であり、債券の保有者に対し、期限までに債券に書かれた金額(額面金額といいます)を支払わなければなりません。したがって会社にとっては借金と同様の義務を有するものといえますので、会社が社債を発行した場合には『社債』勘定という負債勘定を使って処理することになります。

演習問題:社債発行の基礎

1.社債(額面金額10,000円)の社債を10,000円で発行し、払込額はすべて当座預金とした。

借方 金額 貸方 金額
当座預金 10,000 社債 10,000

2.上記社債の償還日となり、当座預金により全額償還した。

借方 金額 貸方 金額
社債 10,000 当座預金 10,000

社債の発行方法には、上記のように額面金額で発行する平価発行のほか、額面金額よりも低い価格では発行する割引発行などがあります。
また社債の償還方法には上記のような満期日に額面金額で償還する満期償還のほか、満期日前に買い入れて償還する買入償還などがあります。

なお社債の貸借対照表における表示区分については1年基準が適用され、償還日までの期間が決算日の翌日から1年以上である場合は固定負債の区分に『社債』として表示し、決算日の翌日から償還日までの期間が1年未満の場合にはこれを『1年内償還社債』に振替えて流動負債の区分に表示することになります。

(関連ページ)
社債を割引発行した時の仕訳の基礎
社債の利息を支払った時の仕訳の基礎
社債償還時の仕訳の基礎(満期償還の場合)

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