売買目的有価証券やその他有価証券については、決算時において時価評価(市場価格での評価)を行い、評価差額は当期の損益または純資産の部に直接計上を行うことになります。
ただし、時価評価が必要な有価証券であっても、市場価格がなく、かつ時価を合理的に算定することができないものなどもあり、これらの有価証券(市場価格のない有価証券)に関しては債券と株式とに分け、以下のように評価することになります(金融商品に関する会計基準 第19項参照)。
(1) 社債その他の債券の貸借対照表価額は、債権の貸借対照表価額に準ずる(取得原価または償却原価)
(2) 社債その他の債券以外の有価証券は、取得原価をもって貸借対照表価額とする(取得原価) |
演習問題:市場価格のない有価証券の決算時の評価
X社株式(取得原価は300,000円であり、その他有価証券として保有している)の決算時の評価に関する仕訳を示しなさい。
なおX社株式は非上場会社の株式であり、その決算時における時価を把握することは極めて困難である。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕訳なし | - | - | - |
X社株式は決算時における時価を把握することが極めて困難な株式であり、決算時の評価は取得原価での評価となりますので決算時における評価替えの必要はありません(ただし、実質価額の下落により減損処理が必要となる場合はあります)。