割引計算の基礎と具体例

割引計算とは、将来のキャッシュフローを現在の貨幣価値で表すといくらになるか、を計算することを言います。

言葉だけではイメージしずらいと思いますので、以下わかりやすい例を挙げて説明します。

たとえば100万円を1年間定期預金に預けたとしましょう。その時の年利が10%の後払いであったとします。この場合1年後に受け取ることのできるお金(将来キャッシュフロー)は次のように計算します。

将来キャッシュフロー:元本100万円+元本100万円×0.1=110万円

(※ 年利10%は1年後に10%増加するということですので元本×0.1となります)

ではこの関係を頭に残したまま、逆に年利10%の定期預金で将来110万円をうけとるためには今必要な元本はいくらかを考えます。
今必要な元本は次のような関係が成り立つことがわかるでしょう。

元本+元本×0.1=110万円
元本×(1+0.1)=110万円
元本=110万円÷(1+0.1)
元本=100万円

この将来受け取る110万円(将来キャッシュフロー将来価値といいます)から現在必要な元本を計算するのが割引計算です。
上記の関係では1年後に110万円をうけとるために現在において必要なお金は100万円ですので、100万円は1年後の110万円の現在価値(割引現在価値とも言います)といえます。

なお、利率をr、期間をnとした場合、割引現在価値と将来キャッシュフローとの間には次のような関係が成り立ちます

割引現在価値=将来価値÷(1+r)^n

※「^」はべき乗を表します。

割引計算の具体例と公式の検証

上記の例では1年という運用期間でしたが、今度は運用期間を3年とし、上記の公式を実際に当てはめて現在価値を考えましょう。

年利10%の定期預金で3年後に133.1万円をうけとるためには今必要な元本はいくらかを考えます。
これを上記の公式に当てはめて計算してみると次のようになります。

元本=1,331,000円÷(1+0.1)^3年
元本=1,331,000円÷{(1+0.1)×(1+0.1)×(1+0.1)}
元本=1,331,000円÷1.331
元本=1,000,000円

3年に1,331,000円を受け取るためには現在の価値で1,000,000円が必要であることがわかります。
ちなみに年利10%の定期預金で100万円を3年間運用した時の3年後の金額は以下のようになります。

元本(0年後):1,000,000円
1年後:1,000,000円+1,000,000円×0.1=1,100,000円
2年後:1,100,000円+1,100,000円×0.1=1,210,000円
3年後:1,210,000円+1,210,000円×0.1=1,331,000円
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