社債を割引発行した時の仕訳の基礎

企業が社債を発行した場合、償還日においては社債の額面金額でこれを償還(返済)する必要があります。
しかし企業が社債を発行する場合には、この額面金額以下の金額で発行することが一般的です。この額面金額よりも低い価格で社債を発行することを割引発行といいます

割引発行が行われる理由は、社債の金利は市場金利より低い場合が多く、市場金利との差額の金利調整のためであり、額面金額と発行価格との差額はいわば前払利息の性格を持つものであるといえます。

企業が社債を発行した時は、社債の発行価格(売り出し価格)をもって『社債』勘定に計上することになります。また社債発行に伴って発生した諸費用(印刷費・広告費・手数料など)については、原則として『社債発行費』として計上し、その支払時などにおける費用(営業外費用)として処理することになります(社債発行費は繰延資産として計上することもできます)。

演習問題:社債を割引発行した時の基礎

当社は額面金額100,000円の社債発行した。発行価格は額面金額100円あたり95円とし、払い込まれた金額はすべて当座預金とした。また社債の発行に際し発生した金融機関の手数料などの諸経費3,000円は現金で支払った(発行時の経費として処理する)。社債の発行時の仕訳を示しなさい。

(計算過程)
社債の発行価格の総額:額面金額100,000円×95円/100円=95,000円

借方 金額 貸方 金額
当座預金 95,000 社債 95,000
社債発行費 3,000 現金 3,000

社債の発行価格は額面金額100円あたり95円であるため、社債の額面金額総額100,000円に95/100円を乗じた95,000円となり、この発行価格をもって社債勘定(固定負債)へと計上します。
また社債発行に伴う諸経費は『社債発行費』として計上し、支出時の経費として処理します。

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