社債利息を見越計上した時の仕訳の基礎

社債の利息の支払は年2回、6か月分の金額が支払われ、利息額は社債の額面金額に約定利率を乗じて算定します。
しかし、社債の利払い日と決算日とが一致していれば問題はないのですが、社債の利払い日と決算日とが一致していない場合、決算日において次回に支払予定の社債利息のうち、当期の期間に対応する部分の金額を当期の費用として計上するための決算処理(社債利息の見越計上)が必要となります。
たとえ未だに利払日が到来していなくとも、当期の期間に対応する金額は当期の費用としなければならないためです。

社債利息の見越計上額は、社債利息の支払額に前回の社債の利払い日から決算日までの期間に応じた割合を乗じて算定することになります。

社債利息の見越計上額=社債の額面金額×年利率×(前回の利払日から決算日までに経過した期間/12月)

なお社債を見越計上した場合の仕訳において、計上した社債利息の相手勘定には『未払社債利息』勘定という負債勘定(経過勘定)を使用し、記帳します。

借方 金額 貸方 金額
社債利息 未払社債利息

決算時において見越し計上された社債利息については、翌期首などにおいて再振替仕訳を行いうことになります。

演習問題:社債の利息の見越し計上

×1年4月1日に発行した社債(額面金額10,000円、年利率2%、利払日は毎年9月末と3月末であり半年分の利息を支払う)について、×1年12月31日決算日において必要な社債利息の見越計上に関する仕訳を示しなさい。

(計算過程)
前回の利払日から決算日までの期間:3カ月
社債利息の見越計上額:額面金額10,000円×年利率2%×3か月/12か月=50円

借方 金額 貸方 金額
社債利息 50 未払社債利息 50

未払社債利息は社債利息の見越計上のために設けられた経過勘定であり、損益計算書上は流動負債の区分に表示されます。
なお、決算時において見越計上された社債利息については翌期首などのに以下のような再振替仕訳を行うことになります。

借方 金額 貸方 金額
未払社債利息 50 社債利息 50
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