オペレーティング・リース取引の借手の仕訳・記帳

ファイナンス・リース取引以外のリース取引をオペレーティング・リース取引といいます。

オペレーティング・リース取引については、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うことになりますので、リース取引の借手は、当該リース取引に係るリース料を支払った時に『支払リース料』勘定を使って記帳し、リース料の支払い時に支払金額をそのままと費用として計上することになります（リース取引に関する会計基準第15項等参照）。

なおオペレーティング・リース取引には売買処理は行わないため、借手がリース資産を受け取っても固定資産の取得としては取り扱いません。したがってリース資産を資産計上するための仕訳は必要ありません。

演習問題：オペレーティングリース取引の借手の処理

当社は×1年4月1日においてリース会社と機械リースに関する契約を締結し、機械のリースを受けることとなった。このリース契約はファイナンス・リース取引の条件を満たさないため、会計上はオペレーティング・リースとして処理されるものである。当該リース取引におけるリース料の支払いは、毎年3月末日（当社の決算日と同日）において1年分のリース料300,000円を後払いで現金で支払うこととなっている。以下のそれぞれの時点における仕訳を示しなさい。

×1年4月1日（リース開始日）
×2年3月31日（リース料の支払日・決算日）

×1年4月1日（リース取引開始日の仕訳）

オペレーティング・リース取引については、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うことになります。賃貸借取引では賃借物件を受け取っても、それは自らの資産ではありませんので、これを資産計上することはありません。したがって、オペレーティング・リース取引においては、取引開始時において何らかの仕訳を行うことはありません。

×2年3月31日（リース料の支払日・決算日の仕訳）

オペレーティング・リース取引については、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うことになります。賃貸借取引では賃借物件に関する賃借料を支払った場合、これを支払時などにおいて費用処理することになります。したがってオペレーティング・リース取引においても、借手は支払ったリース料を『支払リース料』などの勘定科目を使って記帳し、支払時の費用として処理します。

本設例ではリース料の支払日と決算日とが一致しているため特に処理は必要ありませんが、仮にリース料の支払日と決算日とが異なる場合などはリース料をリース期間に応じて配分するための繰延・見越処理することが必要となります（通常の役務費用に関する決算整理仕訳と同じです）。

なお、売買処理と異なり、リース資産を固定資産として計上していませんので決算時におけるリース資産の減価償却計算などは不要です。

（関連項目）
オペレーティング・リース取引の貸手の仕訳・記帳