貨物代表証券のまま商品を販売した時（未着品販売）の仕訳

貨物代表証券（船荷証券や貨物引換証など）とは、遠方の取引先から商品を仕入れた場合などにおいて、運送業者から受け取る貨物（商品）の引換証をいい、この貨物代表証券と引き換えに運送業者から商品を受け取ることができます。

貨物代表証券に関する仕訳処理は、運送業者から貨物代表証券を受け取った時は、いったんこれを『未着品』として資産勘定を使って記帳し、貨物代表証券と引き換えに商品を受け取った際に『未着品』勘定から『仕入』勘定への振替を行います（詳細は貨物代表証券と引き換えに商品を受け取った時の仕訳の基礎をご参照ください）。

なおこの貨物代表証券は商品を受け取ることのできる権利を証明する証券ですので、これを販売することにより商品の販売をすることができます（未着品販売）。
この際、貨物代表証券のまま商品を販売した時は、売上代金を『未着品売上』などの勘定科目を使って収益計上する同時に、売上原価の集計のため、売却した貨物代表証券について『未着品』勘定から『仕入』勘定への振替を行う必要があります。

演習問題：未着品販売

東京商店は北海道商店に10,000円の商品を掛けで発注し運送業者より貨物代表証券を受け取った。
その後、運送業者から商品を受け取る前に貨物代表証券のまま横浜商店に12,000円で商品を掛けで販売し、貨物代表証券を引き渡した。
以下の時点における東京商店の取引の仕訳を示しなさい。

１．貨物代表証券の受取時
２．貨物代表証券の販売時（未着品勘定から仕入勘定へは販売の都度行うこととする）

1．貨物代表証券の受取時

貨物代表証券を受け取った時は、その金額を『未着品』勘定を使って記帳します。貨物代表証券を受け取った段階では未だ商品は到着していませんので商品仕入の仕訳は行いませんが、貨物代表証券はを受け取ることのできる権利を表しますので、これを『未着品』という資産勘定で記帳することになります（詳細は貨物代表証券を受け取った時の仕訳の基礎も合わせてご参照ください）。

2．貨物代表証券の販売時

貨物代表証券のまま商品を販売した時は、販売金額を『未着品売上』勘定をという売上勘定を使って収益計上します。
いっぽう、売り上げた商品の原価を仕入勘定へ集計するため、売り上げた商品の仕入原価を『未着品』勘定から『仕入』勘定へと振り替えます。
なおこの『未着品』勘定から『仕入』勘定への振替は決算時などにまとめて行う場合もありますので、試験問題などでは問題文の指示をよく読み回答するようにしてください。