退職給付債務の基礎概念

退職給付債務」とは、退職給付(従業員の退職以後に支給される給付)のうち、認識時点までに発生していると認められる部分を割り引いたものをいいます(退職給付に関する会計基準第6項参照)。

退職一時金や退職年金など、従業員の退職以後に支給される給付は、従業員がその在職期間中に会社で働いたことを起因として支給されるものですので会社の側から見た場合、たとえ従業員の退職前であっても従業員の労働役務の提供を受けている時点で債務は発生していると考えらます(発生主義)。

したがって、会社は決算時に当期に発生したと認められる退職給付債務を当期の費用として計上すると同時に、負債として貸借対照表に計上する必要があります(退職給付に関する会計基準第27項参照)。

借方 金額 貸方 金額
退職給付費用
(費用)
退職給付に係る負債
(負債)

「退職給付に係る負債」は個別会計上では「退職給付引当金」という名称の勘定科目を使って記帳します(退職給付に関する会計基準第39項3号参照)。

(関連ページ)
退職給付費用の内訳(勤務費用と利息費用の基礎概念)

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