研究開発費の定義と仕訳の基礎

企業にとって、将来の収益性を左右する重要な要素に研究開発費というものがあります。
ここで、研究開発費については「研究開発費等に係る会計基準」において、会計上次のように規定しています。

研究 研究とは、新しい知識の発見を目的とした計画的な調査及び探究をいう。
開発 開発とは、新しい製品・サービス・生産方法(以下「製品等」)についての計画若しくは設計又は既存の製品等を著しく改良するための計画若しくは設計として、研究の成果その他の知識を具体化することをいう。

上記のような目的のために支出した費用(研究開発費)については、その支出額のすべてを発生時の費用として処理することになります(原則として販売費及び一般管理費としますが、当期製造費用算入も可。ただし繰延資産計上は不可)。

なお、ここでいう研究開発費には人件費・原材料費・固定資産の減価償却費及び間接費の配賦額など、研究開発のために費消されたすべての原価が含まれることに注意が必要となります。また特定の研究開発目的にのみ使用され、他の目的に使用できない機械装置や特許権等を取得した場合の原価は、取得時の研究開発費となります(研究開発費等に係る会計基準-2.研究開発費を構成する原価要素および注解1参照)。

演習問題:研究開発費の仕訳

新製品や新サービスの計画もしくは設計のための人件費及び原材料費等として現金3,000円を支出した

(研究開発費)
借方 金額 貸方 金額
研究開発費 3,000 現金 3,000

研究開発費は発生時の費用として処理します。このように発生時の費用として処理する研究開発費には、人件費・原材料費・固定資産の減価償却費及び間接費の配賦額など、研究開発のために費消されたすべての原価が含まれることになります。

(関連ページ)
ソフトウェアと会計処理の基礎

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