自社で利用するソフトウェアに関する仕訳・記帳

1.自社利用のソフトウェアを取得した時の処理

自社で利用する目的で取得したソフトウェアについては、そのソフトウェアを利用することにより将来の収益獲得または費用削減が確実であると認められる場合には、当該ソフトウェアの取得に要した支出を資産として計上することがもとめられます(研究開発費等に係る会計基準 四3「自社利用のソフトウェアに係る会計処理」参照)。

自社利用のソフトウェアを資産として計上する場合には、取得に要した支出額を『ソフトウェア』という無形固定資産の勘定科目を使って計上します。

仮に自社で利用する目的のソフトウェアの取得のために1,000円の現金を支払った場合の仕訳は以下のようになります。

借方 金額 貸方 金額
ソフトウェア 1,000 現金 1,000

2.自社利用のソフトウェアの減価償却費の計算

自社利用のソフトウェアの取得費を無形固定資産として計上した場合には、ソフトウェアの利用可能期間(利用可能期間が5年を超える場合には原則として5年)にわたり定額法などにより減価償却することになります(研究開発費およびソフトウェアの会計処理に関する実務指針20項参照)。

『ソフトウェア』を減価償却した時の仕訳は、償却額を『ソフトウェア償却』(販売費および一般管理費)などの勘定科目を使って費用計上するとともに、償却額を『ソフトウェア』勘定の貸方に記帳し、償却額をソフトウェアの残高から直接減額します。

例えば、上記1で計上したソフトウェア1,000円のうち、当期の減価償却費として200円を計上した時は次のように記帳します。

借方 金額 貸方 金額
ソフトウェア償却 200 ソフトウェア 200

演習問題:自社利用のソフトウェアの取得と償却

1.×1年度期首において、自社で利用する目的のソフトウェアを制作した。このソフトウェアを利用することにより将来の収益獲得が確実であると認められるため、このソフトウェアの制作に要した金額300,000円(現金で支払い)は無形固定資産として計上する必要がある。当該ソフトウェアの取得時の仕訳を示しなさい。

借方 金額 貸方 金額
ソフトウェア 300,000 現金 300,000

自社で利用する目的で取得したソフトウェアについては、その利用により将来の収益獲得または費用削減が確実であると認められる場合には無形固定資産として計上することが必要となります。
なお将来の収益獲得や費用削減が確実であると認められない場合や不明な場合には、ソフトウェアの取得に要した支出はその発生時の費用として処理することになります。

2.×1年度の決算を迎えた。上記ソフトウェアに関する当期の償却費を計算し、償却費を計上するための仕訳を示しなさい。なお当該ソフトウェアについては利用可能期間5年とし、定額法により償却するものとする。

借方 金額 貸方 金額
ソフトウェア償却 60,000 ソフトウェア 60,000

(計算過程)
当期期首のソフトウェアの残高300,000円÷期首における利用可能期間5年=60,000円

当該支出を無形固定資産として計上する場合には、『ソフトウェア』などの勘定科目を使って処理し、ソフトウェアの利用可能期間(利用可能期間が5年を超える場合には原則として5年)にわたり定額法などにより減価償却することになります(研究開発費およびソフトウェアの会計処理に関する実務指針20項参照)。

(関連ページ)
ソフトウェア取得時の仕訳(基本)
制作途中のソフトウェア(ソフトウェア仮勘定)の仕訳・記帳

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