1.資産のグルーピングの必要性
複数の資産が一体となって独立したキャッシュ・フローを生み出す場合には、減損損失を認識するかどうかの判定及び減損損失の測定に際して、合理的な範囲で資産のグルーピングを行う必要があります。
2.資産のグルーピングの方法
この減損損失を認識するかどうかの判定と減損損失の測定に際しておいて行う資産のグルーピングは、他の資産又は資産グループのキャッシュ・フローから概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位で行うことになりますが(固定資産の減損に係る会計基準 二6参照)、企業にはさまざまな事業形態が存在し、それぞれの企業の置かれた環境も多岐にわたるなか資産のグルーピングの方法を一義的に示すことは困難であり、また仮に何らかの方法を定めたとしてもそのような方法は企業の実態を反映するモノとは必ずしも言えないものと考えられることから、グルーピングの方法について一義的な方法というものは規定されてはおりません。
実務的には管理会計上の区分や投資の意思決定(資産の処分や事業の廃止に関する意思決定を含む)を行う際の単位等を考慮してグルーピングの方法を定めることになると考えられることになります(固定資産の減損に係る会計基準の適用指針7項参照)。
3.資産のグルーピングの継続性
資産のグルーピングには継続性が求められるため、当期に行われた資産のグルーピングは、事実関係が変化した場合(例えば、事業の再編成による管理会計上の区分の変更した場合や主要な資産の処分した場合など)を除き、翌期以降の会計期間においても同様に行うことが必要となります(固定資産の減損に係る会計基準の適用指針7項参照)。
(関連ページ)
資産のグルーピングと減損損失の配分の基礎