クレジットカードのお店側の仕訳・経理処理

現在はキャッシュレス決済化が進んでおり、小売店や飲食店などでもクレジットカードなどを利用して代金が決済できるお店が増えています。
ここでは商品をクレジット決済で販売したお店側の仕訳・経理処理をご説明しております。

クレジット決済の場合、代金はその場でお客様から受け取るのではなく、後日にクレジット会社から支払われることになります。
したがって商品を販売した時の対価は『クレジット売掛金』という売上債権を表す勘定科目を使って記帳することになります。
たとえばお店の10,000円の商品を販売した時、お客様がクレジットで決済した時の仕訳はまず次のような仕訳を切ります。

借方 金額 貸方 金額
クレジット売掛金 100,000 売上 100,000

なおクレジットカードで商品を売り上げたとき、クレジット会社に売上代金の数%を決済手数料として支払わなければなりません。
実際にはクレジット会社から代金の支払いを受けるときにクレジット会社の取り分が差し引かれて振り込まれることになるのですが、このクレジット会社の取り分である決済手数料については商品の販売時に『支払手数料』という経費の勘定科目を使って記帳します。

上記の商品100,000円をクレジット決済で販売した時のクレジット会社の取り分が1,000円である場合、商品の販売時に次のような仕訳を切り、『クレジット売掛金』を減額します。

借方 金額 貸方 金額
支払手数料 1,000 クレジット売掛金 1,000

商品販売時には上記の2つの仕訳を切ることになりますが、1つ目の仕訳と2つ目の仕訳には借方貸方の双方に『クレジット売掛金』がありますので、実際にはこれを相殺して以下のように仕訳をまとめることができます。

借方 金額 貸方 金額
クレジット売掛金 99,000 売上 100,000
支払手数料 1,000

その後、クレジット会社から商品の販売代金100,000円からクレジット会社の取り分1,000円が差し引かれた99,000円が預金口座などに振り込まれますが、この際の仕訳はクレジット売掛金を取り崩し、これを『普通預金』などに振り替えます。

借方 金額 貸方 金額
普通預金 99,000 クレジット売掛金 99,000

クレジット会社の取り分である決済手数料は、実際には売上代金の何%などとして計算します。
実際の仕訳を下記の問題形式でもご確認ください。

演習問題:クレジットカードのお店側の会計処理

A商店は100,000円の商品を販売し、お客様はこれをクレジットカードで決済した。
クレジットカードの決済手数料が売上金額の3.5%であった場合において、A商店の1.商品販売時ならびに2.クレジット会社から代金が振り込まれた時の仕訳を示しなさい。

1.商品販売時の仕訳

借方 金額 貸方 金額
クレジット売掛金 100,000 売上 100,000
支払手数料 3,500 クレジット売掛金 3,500

クレジットで決済した時にクレジット会社の取り分である決済手数料が売上代金に対し3.5%かかります。
100,000円の3.5%は3,500円となりますのでこれを『支払手数料』として処理します。
後日クレジット会社から受け取る代金は商品の販売代金100,000円からこの決済手数料3,500円を差し引かれてしはらわれますので、支払手数料の相手科目は『クレジット売掛金』として、クレジット売掛金を3,500円減額します。

上記の仕訳は借方と貸方のクレジット売掛金を相殺し、次のようにまとめて記帳してもかまいません。

借方 金額 貸方 金額
クレジット売掛金 96,500 売上 100,000
支払手数料 3,500

2.クレジット会社から代金が振り込まれた時の仕訳

借方 金額 貸方 金額
普通預金 96,500 クレジット売掛金 96,500

売上代金100,000円からクレジット会社の取り分である決済手数料3,500円を差し引いた96,500円が振り込まれますので、クレジット売掛金の残高96,500円を減額し、普通預金などで代金が振り込まれた口座残高を増額します。

(関連ページ)
クレジットカードで経費を支払った時の仕訳
売掛金の仕訳・記帳について

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加