前期の売掛金が貸倒れた時(貸倒引当金取崩)の仕訳の基礎

売掛金などの債権が得意先の倒産などにより回収できなくなることを貸倒れといいます。

債権の貸倒に関する処理は債権がいつ発生したものかにより異なります。
前期以前に発生した売掛金などの債権が、当期中に回収不能になったときは、貸倒れた債権を減額すると同時に、当該売掛金について設定されている『貸倒引当金』勘定を取り崩して処理することになります。

借方 金額 貸方 金額
貸倒引当金 売掛金

なお、売掛金等の貸倒額のほうが貸倒引当金残高より大きい場合においてはその差額を『貸倒損失』として処理し、当期の費用として計上します(過去の誤謬に該当する場合を除く)。

借方 金額 貸方 金額
貸倒引当金 (設定額) 売掛金 (貸倒額)
貸倒損失 (不足額)

当期に発生した債権が、当期中に回収不能になったときは、『貸倒損失』勘定を使って貸倒れた時の費用として処理することになります(詳細は当期の売掛金が貸倒れた時(貸倒損失)の仕訳の基礎をご参照ください)。

演習問題:前期以前発生の売掛金が回収不能となったときの仕訳

B社に対する売掛金30,000円(前期に発生したもの)について、B社が当期中に倒産し回収不能となった。なお、前期末に設定した貸倒引当金の残高は20,000円である。

借方 金額 貸方 金額
貸倒引当金 20,000 売掛金 30,000
貸倒損失 10,000

前期に発生した売掛金が当期において、回収不能となっています。回収不能額については売掛金を減額すると同時に、前期末に設定していた『貸倒引当金』を取り崩してこれを填補して処理します。
貸倒額が貸倒引当金の設定額を超える場合は『貸倒損失』として、当期の費用として処理します。

(関連ページ)
貸倒引当金設定に関する基礎

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