自己株式(自社の発行した株式)取得時の取得原価と仕訳

会社が自分の発行した株式を取得した場合、当該株式を『自己株式』といいます。

会社が自己株式を取得した時の仕訳は、自己株式の取得原価を『自己株式』勘定を使って記帳することになります。
なお、自己株式を取得する際に発生した諸費用は『支払手数料』勘定(営業外費用)を使って記帳し、取得時の費用として処理することになります(他社発行の株式など(有価証券)を取得した際の諸費用は有価証券の取得原価に含めますが、自己株式取得の際の諸費用は自己株式の取得原価には含めません。これは他社の発行した株式の取得は有価証券という資産の取得であるのに対し、自己株式の取得は資本の払い戻しとしての性格を有するものであり、純資産の減少として処理するためです)。

自己株式の帳簿価額=自己株式取得原価(諸費用は含めない)

自己株式を取得は、資本の払い戻しとしての性格を有するものであることから、貸借対照表における自己株式の表示は、資産の部ではなく、純資産の部の株主資本から控除する形式で表示されます(有価証券とは異なるため、決算時の時価評価も行いません)。

演習問題:自己株式の取得時の処理

自社の発行した株式を1株当たり50円で10,000株を取得した。なお代金は証券会社などへの手数料5,000円といっしょに現金で支払った。

(計算)
自己株式の取得原価:@50円×10,000株=500,000円

借方 金額 貸方 金額
自己株式 500,000 現金 505,000
支払手数料 5,000

自己株式の取得の際に発生した手数料などの諸掛は自己株式の取得原価には含めず『支払手数料』など、営業外費用として処理します。

(関連ページ)
自己株式を売却(処分)したときの仕訳・記帳
自己株式を消却した(消去した)ときの仕訳・記帳

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