自己株式を消却した(消去した)ときの仕訳・記帳

会社が自分の発行した株式を取得した場合、当該株式を『自己株式』といいます。

会社が保有する自社の株式(自己株式)については、これを取締役会の決議などにより消却する(消滅させる)ことができます(会社法第178条参照)。
会社が自己株式を消却する場合、当該自己株式の消却手続が完了したときに、自己株式の帳簿価額をその他資本剰余金から減額することになります(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準第11項)。

例えば、帳簿価額1,000円の自己株式を消却した場合の仕訳は以下のようになります。

借方 金額 貸方 金額
その他資本剰余金 1,000 自己株式 1,000

なお自己株式を消却した結果、その他資本剰余金の残高がマイナスとなった場合には、会計期末(決算時)において、その他資本剰余金の金額を0円とし、当該マイナスの金額をその他利益剰余金(繰越利益剰余金)から減額します(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準第12項参照)。

また自己株式消却する際に発生した手数料については『支払手数料』などの勘定を使い、営業外費用として処理します(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準第14項参照)。

演習問題:自己株式の処分時の処理

このたび保有する自己株式100,000株(帳簿価額は1株当たり100円)のうち、取締役会決議により30,000株を消却することとした。自己株式の消却手続が完了した時の仕訳を示しなさい(消却額全額をその他資本剰余金から減額すること)。

(計算)
消却した自己株式の帳簿価額:30,000株×@100円=3,000,000円

借方 金額 貸方 金額
その他資本剰余金 3,000,000 自己株式 3,000,000

(関連ページ)
自己株式(自社の発行した株式)取得時の取得原価と仕訳
自己株式を売却(処分)したときの仕訳・記帳

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