決算時の換算について、外貨建による満期保有目的の債券(償却原価法の適用がない場合)については、外国通貨による取得原価を決算時の為替相場(CR)により円換算した額により評価します(外貨建取引等会計処理基準一・2参照)。
満期保有目的の債券の価額=外貨による取得原価×決算時の為替レート |
満期保有目的の債券を決算時の為替レートによって換算したことによる換算差額は『為替差損益』(営業外収益または営業外費用)を使って記帳し、決算時の損益として処理します。
演習問題:満期保有目的の債券(償却原価法の適用なし)の決算時の換算
決算時における為替レートは1ドル120円であるものとし、期中に取得した以下の外貨建有価証券について決算時に必要な仕訳を示しなさい。
銘柄 | 保有目的 | 取得原価 | 取得時のレート | 決算時の時価 |
B社社債 | 満期保有目的 | 500ドル | 100円 | 510ドル |
※なお、B社社債については償却原価法は適用しないものとする。
(計算)
決算時の円貨額:外貨による取得原価500ドル×決算時のレート@120円=60,000円
換算差額:決算時の円貨額60,000円-取得時の円貨額(500ドル×@100円)=10,000円
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
投資有価証券 | 10,000 | 為替差損益 | 10,000 |
償却原価法を適用しない満期保有目的の債券の決算時の換算は、外貨による取得原価を決算時の為替レートで換算することになります。換算によって生じた換算差額については『為替差損益』として処理し、決算時の損益となります。
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