棚卸減耗損の表示の基礎と原価性の有無

棚卸減耗損(棚卸減耗費)とは、商品など棚卸資産のたな卸しを行った結果、実際の在庫数量が帳簿上の数量より少なかった場合の減耗額をいいます。
棚卸減耗損は、これが発生した時の費用となるのですが、なぜ棚卸減耗が発生したのか?、その発生は不可避のものであるのか?など、その内容(これを原価性の有無といいます)により、損益計算書において表示される場所が異なります(連続意見書第四棚卸資産の評価について 第一・六参照)。

原価性 損益計算書における表示
原価性がある場合 毎期経常的に発生するもの、またその発生が不可避であるものなどは原価性のある棚卸減耗損といいます。原価性のある棚卸減耗損は損益計算書において、売上原価の内訳科目または販売費及び一般管理費の区分に表示されます(原料などについては製造原価に算入します)。
原価性がない場合 災害や盗難などの異常な状態を前提とする減耗分や、多量・多額に発生した減耗分など、その発生が不可避と考えられないようなものなどは原価性のない棚卸減耗損といいます。原価性のない棚卸減耗損は損益計算書において、営業外費用項目または特別損失の区分に表示されます。

(関連ページ)
商品評価損の表示の基礎(売上原価または特別損失)

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