棚卸減耗損の算定方法の基礎

継続記録法などにより記帳した帳簿上の商品の在庫数量と、決算時に実際に数を数えた(棚卸といいます)実際の在庫数量とを比べた場合、実際には両者の数が一致しない場合が多々あります。
例えば倉庫や店舗内での移動時において紛失したり、あるいは盗難にあったり一致しない理由は様々考えられますが、このような帳簿上との数量と実際の数量との差を会計上は棚卸減耗といいます。

棚卸減耗が発生した時は、発生した期においてこれを費用として損益計算書に計上します。
棚卸減耗損の金額は以下の算式によって算定します。

棚卸減耗損=@単価×(期末帳簿数量-期末実地数量)

なお上記算式の@単価は、先入先出法平均原価法などにより算定した期末在庫に適用される単価を使用します。
棚卸減耗が発生した場合の仕訳は、その発生額を『棚卸減耗損』または『棚卸減耗費』などの勘定科目を使って発生時の費用として処理すると同時に『繰越商品』勘定を減額し、貸借対照表に計上される資産としての商品を減少させます。

借方 金額 貸方 金額
棚卸減耗損 繰越商品

演習問題:棚卸減耗損の算定

以下の期末商品に関するデータをもとに、棚卸減耗損の金額を算定し、棚卸減耗損を計上するための仕訳を示しなさい(棚卸減耗損の計上以外の決算整理仕訳は行わなくてよいものとする)。

帳簿上の商品の有高:40個(単価@1,000円)
実地棚卸を行った結果の商品有高:38個

(計算過程)
帳簿上の商品の有高と棚卸結果との間に差が生じております。この差を棚卸減耗損として当期の費用として処理することになります。

棚卸減耗損:(帳簿数量40個-棚卸数量38個)×単価@1,000円=2,000円

借方 金額 貸方 金額
棚卸減耗損 2,000 繰越商品 2,000

(関連項目)
棚卸減耗損の表示の基礎と原価性の有無
商品評価損の算定・仕訳の基礎

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