仕切精算書を作成し送付した時の仕訳（受託販売）

他社（委託者）の商品を、他社に代わって販売する形態の商品売買を受託販売といいます。
受託した側から見た場合、受託販売の会計処理のポイントは以下の3点です。

1．委託者から商品を受け取った時
2．委託者に代わって商品を販売した時
3．委託者に仕切精算書を送付し、代金を精算した時（このページでご説明しています）

委託者より商品の販売を委託された受託者は、商品を販売すると商品販売を委託者へ報告するために仕切精算書（売上計算書ともいいます）を委託者へ送付します。
受託販売では、受託者は委託者から商品の販売を依頼されているだけですので、受け取った商品代金は委託者へ送金しなければなりませんが、受託者は商品を販売することにより委託者から販売手数料を受け取ることができます。

受託者が受け取る販売手数料は仕切精算書の送付時などにおいて『受取手数料』などの勘定科目を使って記帳し、収益計上します。

受取手数料の対価は受託者に対する債権となりますので『受託販売』という勘定科目（委託者との間の債権債務を表す勘定科目）を使って記帳します（後日に受託者から委託者へ送金される売上代金から差し引かれることになります）。

演習問題：受託販売－仕切精算書を送付した時

受託者が受託商品を10,000円で外部へ販売し、次のような仕切精算書を委託者へ送付した場合において、受託者の以下の時点の仕訳を示しなさい。

１．仕切精算書を作成し送付した時
２．受託者に代金を現金で送金した時

1．仕切精算書を作成し送付した時

受託者は受託販売により、委託から販売手数料を得ることができますので、これを『受取手数料』勘定を使って記帳します。代金は通常は委託者へ送金する売上代金と相殺されますので、委託者との債権債務を処理する『受託販売』勘定を相手勘定とします。

2．代金を送金した時

売上代金10,000円から、受託者が受け取る販売手数料500円および受託者が立替払いした経費500円を差引し、残額の9,000円を委託者へ送金しています。これにより委託者へ代金を返さなければならない債務が減少しますので『受託販売』勘定の貸方残高を減額することになります。