減損損失の測定方法と仕訳の基礎(減損会計)

資産または資産グループについて減損損失を認識すべきであると判定されたものについては、実際にいくら減損損失を計上するか測定することが必要となりま(固定資産の減損に係る会計基準 二-3参照)。

測定の方法については、減損損失を認識すべきであると判定された資産・資産グループについては回収可能価額で評価することとなりますので、減損損失の金額が資産または資産グループのそれぞれの帳簿価額から回収可能価額を差し引くことによって算定します

減損損失=固定資産の帳簿価額-回収可能価額

※ 回収可能価額とは正味売却価額または使用価値のいずれか高いほうの金額をいいます

回収可能価額は正味売却価額(その資産を今すぐ売った場合に入ってくる収入)または使用価値(売らずに使用し続けた場合の収入)のいずれか高いほうの金額を使います。今すぐ売った場合と売らずに使い続けた場合とどちらが有利か判定し、その金額を回収可能(な)価額として新たな帳簿価額とし、これまでの帳簿価額との差額を減損損失として損失処理することになります。

演習問題:減損損失の測定

機械装置(帳簿価額1,000円)について減損損失を認識することが必要であると判定された。当該機械装置の正味売却価額が300円、使用価値が200円であった場合の減損損失の測定と仕訳を示しなさい。

(解答・解説)

機械装置の回収可能価額:正味売却価額300円>使用価値200円 ∴300円

減損損失の金額:固定資産の帳簿価額1,000円-回収可能価額300円=700円

借方 金額 貸方 金額
減損損失 700 機械装置 700

減損損失を計上する場合、上記仕訳のように機械装置など固定資産の勘定科目を直接減額することを原則としますが、下記仕訳のように『減損損失累計額』とすることもあります(間接控除形式、固定資産の減損に係る会計基準の適用指針第139項参照)。

借方 金額 貸方 金額
減損損失 700 減損損失累計額 700
スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加