有価証券を売った時(売却時)の仕訳の基礎

会社が保有する株式や公社債などの有価証券を売却した時は、売却する有価証券の帳簿価額を減額し、減額した帳簿価額と売却金額との差額を『有価証券売却損(または益)』勘定または『投資有価証券売却損(または益)』勘定などを使って記帳します。

なお、有価証券の売却時に発生した手数料などの諸掛は『支払手数料』勘定などを使って記帳します(売却損益と相殺することもあります。簿記検定などでは問題の指示に従ってください)。

演習問題:有価証券の売却

1.売買目的有価証券の売却

当社は保有するA社株式30株(売買目的有価証券として分類しており、売却時の帳簿価額は1株当たり50円)を1株当たり55円で売却し、代金は現金で受取った。

(計算過程)
売却した株式の帳簿価額:30株×@50円=1,500円
売却収入金額:30株×@55円=1,650円
売却損益:売却収入1,650円-帳簿価額1,500円=150円(売却益)

借方 金額 貸方 金額
現金 1,650 有価証券 1,500
有価証券売却益 150

『有価証券』を売却した時の売却損益は『有価証券売却益』または『有価証券売却損』勘定(営業外損益)を使って記帳します。

2.その他有価証券(投資有価証券)の売却

当社は保有するB社株式30株(その他有価証券として分類しており、売却時の帳簿価額は1株当たり50円)を1株当たり55円で売却した。代金は、証券会社に支払う手数料30円を差し引かれ、残額を現金で受取った。

(計算過程)
売却した株式の帳簿価額:30株×@50円=1,500円
売却収入金額:30株×@55円=1,650円
売却損益:売却収入1,650円-帳簿価額1,500円=150円(売却益)
現金収入:売却価格1,650円-支払手数料30円=1,620円

借方 金額 貸方 金額
現金 1,620 投資有価証券 1,500
支払手数料 30 投資有価証券売却益 150

『投資有価証券』を売却した時の売却損益は『投資有価証券売却益』または『投資有価証券売却損』勘定(営業外損益)を使って記帳します。
また売却時に支払った『支払手数料』は売却損益と同様、営業外費用となります。

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