約束手形とは、手形の振出人が一定の日に一定の金額を支払うことを約束した証券をいい、有価証券の一種です。約束手形を決済手段として使用した取引の仕訳・記帳は、対象となったモノが商品かあるいはそれ以外のものかにより以下のように区分されます。
| 取引対象 | 会計処理 |
| 商品 | 商品売買（通常の営業取引）の決済手段として約束手形を受け取ったときは受取手形勘定、約束手形を振り出したときは支払手形勘定を使って記帳します。 |
| 固定資産など （商品以外のもの） |
機械や備品・建物等の固定資産や株式・社債等の有価証券など、商品以外のもの売買取引（通常の営業取引以外）の決済手段として約束手形を受け取ったときは営業外受取手形勘定、振り出したときは営業外支払手形勘定を使って記帳します。 |
上記のうち、商品売買などに伴って振り出された受取手形・支払手形は貸借対照表上、流動資産・流動負債として表示されますが（正常営業循環基準）、固定資産などの売買に伴って振り出された営業外受取手形・営業外支払手形は1年基準が適用され、決算日の翌日から起算して1年以内に期日の到来するものは流動資産・流動負債、1年を超えて期日の到来するものは固定資産(投資その他の資産)・固定負債として表示されます。
演習問題：受取手形と営業外受取手形
1．Ａ社へ商品100,000円を売却し、代金はＡ社振出の約束手形で受け取った。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 受取手形 | 100,000 | 売上 | 100,000 |
2．Ｂ社へ不要となった機械装置（帳簿価額100,000円）を100,000円で売却した。代金はＢ社振出の約束手形で受け取った。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 営業外受取手形 | 100,000 | 機械装置 | 100,000 |
（関連ページ）
約束手形（支払手形と営業外支払手形）について
