割賦販売の収益認識の基礎(企業会計原則注解・注6の扱い)

割賦販売とは、お客さんへの商品の引き渡しを先に行い、代金は後から一定期間にわたり分割で受け取る形態の商品販売をいいます。

支払い方法には月賦や年賦など取引ごとに条件を設定します。
割賦販売はいわゆる信用販売の一種であり、通常の売掛金などと同様に代金後払いによる商品販売をいいますが、割賦販売の場合は代金回収期間が特に長期になることもありうるため、会計上は収益計上について特別な取扱いが認められています。

割賦販売の収益認識基準(企業会計原則注解 注6の取り扱い)

上記の通り、割賦販売も信用取引の一種であり、通常の売掛金販売と同様に商品を引き渡して後日代金を受け取る形態の販売方法となります。
したがって、割賦販売においても一般的な売掛金販売と同様、商品の販売時において代金債権を得ることができるため、この販売時点において収益が実現したものとして収益認識を行うのが原則的な方法となります(販売基準

しかし割賦販売は通常の販売とは異なり、その代金回収の期間が長期にわたり、かつ分割払であることから代金回収上の危険率が高く、より慎重な収益認識が必要とも考えられます(保守主義の適用例)。したがって上記の販売基準に代えて、割賦金の回収期限の到来の日(回収期限到来基準)又は入金の日(回収基準)をもって売上収益の認識を行うことも認められています(企業会計原則注解 注6参照)。

割賦販売における収益認識基準をまとめると以下の表のようになります

販売基準 商品を引き渡した日(販売した日)に売上収益を計上します。割賦販売における売上収益認識の原則的な基準となります。
回収期限到来基準 割賦金の回収期限の到来日に売上収益を計上します。

回収期限前に割賦金を回収した時には回収時に売上収益を計上しますので、割賦金の回収が期限を過ぎない限りにおいては下記の回収基準と同日に売上収益を計上することになりますが、割賦金の回収が期限を超えた場合には、実際の入金を待たずして売上収益を計上するため、回収基準より早期に収益計上を行うことになります。

回収基準 割賦金の実際の回収日に売上収益を計上します。
実際に回収した時に売上収益を計上するため、最も慎重な収益認識基準といえます。
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