戻り商品とは(割賦販売)

割賦販売では、商品の引き渡し後、長期間にわたって分割で代金回収が行われます。
買主の資金繰りなどによっては、回収期間の途中で代金回収が滞り、さらには回収不能となる場合も考えられます。

割賦販売において代金の回収が不能となった場合、売主は買主から商品を取り戻すことができますが、この取り戻した商品を戻り商品といいます。
戻り商品の会計処理については、割賦販売の記帳方法(未実現利益整理法・対照勘定法)によって以下のように異なりますが、戻り商品は代金債権の回収不能により発生するものですので、売掛金の回収不能時と同様に、回収不能時などの損失として処理します(売上自体の取り消しは行いません)。

販売基準 収益計上した割賦売掛金のうち、回収不能となった『割賦売掛金』を減額し、取り戻した商品を『戻り商品』として資産計上します。戻り商品の評価額と割賦売掛金の消去金額との差額についてあ『戻り商品損失』として戻り時の損失として処理します。

(戻り商品) / (割賦売掛金)
(戻り商品損失)

未実現利益整理法 収益計上した割賦売掛金のうち、回収不能となった『割賦売掛金』を減額し、取り戻した商品を『戻り商品』として資産計上します。なお、前期決算時において『繰延売上利益(または繰延割賦売上利益)』を計上している場合は、未回収となった割賦売掛金に対応する『繰延売上利益』も消去します。

『戻り商品』『繰延割賦売上利益』と『割賦売掛金』消去額との差額(貸借差額)は『戻り商品損失』として損失処理します。

(戻り商品) / (割賦売掛金)
(繰延売上利益)
(戻り商品損失)

対照勘定法 回収不能となった割賦金について対照勘定を相殺消去します。

(割賦仮売上) / (割賦売掛金)

なお対照勘定の相殺消去に加え、戻り商品の評価額について期中に資産計上する場合もあります。

それぞれの記帳法における具体例や決算時の取り扱いについては、各記帳法のリンク先の該当ページをご参照ください。

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