割賦販売・販売基準における戻り商品の会計処理

割賦販売の収益認識基準として販売基準（商品の引き渡し時に売上収益を全額計上する基準）を採用している場合、割賦売掛金の回収不能に伴い取り戻した商品（戻り商品）の会計処理のポイントは以下の通りです。

販売基準における戻り商品の仕訳

戻り商品の仕訳については、割賦売掛金が回収不能となって商品を取り戻したとしても、過去の売上を取り消すことはありません。あくまでも売上債権の貸し倒れとして処理する点がポイントとなります。

仮に割賦売掛金1,000円が回収不能となったため商品を取り戻し、その取り戻した商品の評価額が600円であった場合は以下のように処理します。

なお、上記の取り戻した商品（戻り商品　600円）は簿記の仕訳上は新たな仕入と見做して処理することになります。
したがって決算時などにこれを『仕入』勘定へ振り替え、また未販売の場合にはさらに『繰越商品』勘定へと振り替えられます。

上記のうち一段目の仕訳は、戻り商品を新たな仕入として評価額で仕入勘定に振替えるための仕訳です。
また二段目の仕訳は売り残った商品を仕入勘定から繰越商品勘定へと振り替える仕訳です。したがって戻り商品が期末までに販売され、決算時においてすでに手許にはない場合には上記の二段目の仕訳は必要はありません。

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