年金資産へ資金を拠出した時の仕訳・記帳

企業は将来の退職給付の支払に備えて、外部に資金を拠出し、これを積み立てる場合があります。これを退職給付会計においては年金資産といいます。

年金資産は将来の退職給付に備えて拠出した資金であり、その拠出額に応じて将来企業が負担すべき退職給付は少なくなりますので、年金資産に資金を拠出した場合には企業が負債として認識する退職給付引当金を減額することになります。

B/Sの負債金額(退職給付引当金)=期末における退職給付債務-年金資産の残高

したがって企業が外部に年金資産の掛け金として資金を拠出した時は、退職給付引当金の減少として処理することになります。

借方 金額 貸方 金額
退職給付引当金 現金預金

演習問題:年金資産へ掛金を拠出した時

将来の退職給付の支給に備え、企業が外部の年金基金に現金30,000円を掛金として拠出した時の仕訳を示しなさい。

(解答)

借方 金額 貸方 金額
退職給付引当金 30,000 現金 30,000

将来の退職給付に備えて年金基金(年金資産)へ掛金を拠出することにより、企業が将来負担すべき退職給付に係る債務は減少しますので、借方に『退職給付引当金』として掛金の拠出額を記帳します(負債が減少します)。

(関連ページ)
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