新株予約権とは、その保有者が新株予約権の発行者に対し、新株予約権と引き換えに発行会社の株式の交付を受けることが請求できる権利をいいますが、この権利を行使するか否かは新株予約権の保有者の意思にゆだねられますので、保有者は状況によっては権利を行使しないこともできます。
自社が発行した新株予約権が権利行使されずに権利行使期間を満了した場合には、新株予約権発行時に受け取った払込金額(新株予約権の帳簿価額)を『新株予約権』勘定から『新株予約権戻入益』勘定へと振り替えることになります。
では、具体的な仕訳例でご確認ください。
新株予約権行使されずに、権利行使期間を満了した時の会社側の仕訳
たとえば、新株予約権発行時において払込金額1,000円で計上された新株予約権が権利行使されずにその期間を満了した場合における新株予約権発行時および権利行使期間満了時の会社側は次のように記帳します。
1.新株予約権発行時の仕訳
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金預金 | 1,000 | 新株予約権 | 1,000 |
2.権利行使期間満了時の仕訳
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
新株予約権 | 1,000 | 新株予約権戻入益 | 1,000 |
新株予約権の発行者はその発行した新株予約権が権利行使されずに権利行使期間を満了しても、払い込まれた金額を返還する必要はないため、その金額を『新株予約権』勘定から『新株予約権戻入益』というと利益を表す勘定科目へ振り替え、これを満了時の利益として処理します(損益計算表上は特別利益として表示されます)。
(関連ページ)
新株予約権の権利行使時の仕訳・記帳(会社側の処理)
保有する新株予約権の失効時の記帳(新株予約権未行使損)