満期保有目的の債券の取得時(買った時)の仕訳

満期まで所有する意図をもって保有する社債その他の債券を満期保有目的の債券といいます。満期保有目的の債券を取得した時の勘定科目は、1年内に満期の到来するものは『有価証券』勘定、それ以外は『投資有価証券勘定』を使って記帳します。

なお、有価証券の取得原価(有価証券勘定・投資有価証券勘定の増加額)は国債・地方債・社債などの本体価格(購入代価)だけではなく、その取得のために必要な手数料などの付随費用を含めた支出額合計をもって算定します。

有価証券の取得原価=有価証券の購入代価+付随費用

また、満期保有目的の債券の額面金額と取得価額とが異なる場合においては取得価額で記帳し、当該差額の性格が金利調整差額であると認められる場合には、決算時において償却原価法に基づいて算定された価額を貸借対照表価額として処理することになります。

演習問題:満期保有目的の債券の購入

A社の社債について、額面金額1,000,000円分を額面100円当たり97円で購入した。購入代金は現金で支払った。なおA社の社債について、その満期日は当社決算日より1年以上先であり、当社はA社の社債は満期まで保有する目的である。

(計算過程)
額面金額100円あたり97円で購入していますので、全体の購入価額(取得原価)は以下のように算定します。

1,000,000円×97円/100円=970,000円

借方 金額 貸方 金額
投資有価証券 970,000 現金 970,000

当社は取得したA社債を満期まで保有する予定であり、その満期日は当社の決算日より1年以上先となりますので、増加額は『投資有価証券』勘定を使って記帳します。

(関連ページ)
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