子会社とは、株式の過半数を保有するなどして株主総会や取締役会などの意思決定機関を支配している場合における当該会社をいいます。また関連会社とは、支配しているとまでは言える状態ではないが、出資・人事・資金・技術・取引などの関係を通じて重要な影響を与えることができる場合における当該会社を言います(持分法に関する会計基準 第5項・5-2項参照)。
子会社または関連会社の株式を取得した時は『子会社株式』『関連会社株式』勘定を使って記帳します(あわせて『関係会社株式』勘定を使用することもあります)。
なお、有価証券の取得原価(子会社株式勘定・関連会社株式勘定の増加額)は株式の本体価格(購入代価)だけではなく、その取得のために必要な手数料などの付随費用を含めた支出額合計をもって算定します。
有価証券の取得原価=有価証券の購入代価+付随費用 |
演習問題:子会社株式・関連会社株式の購入
1.子会社株式の購入
A社の株式600株を1株当たり10,000円で現金で購入した。なおA社の発行済み株式の総数は1,000株である。
(計算過程)
取得したA社株式600株は、A社の発行済み株式総数1,000株の60%にあたります。当社はA社の株主総会等の意思決定機関を支配することになりますのでA社株式は『子会社株式』の増加として計上します
A社株式の取得価額:600株×10,000円=6,000,000円
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
子会社株式 | 6,000,000 | 現金 | 6,000,000 |
『子会社株式』勘定は関連会社株式と合わせて『関係会社株式』勘定を使用することもあります。
2.関連会社株式の購入
B社の株式300株を1株当たり10,000円で現金で購入した。なおB社の発行済み株式の総数は1,000株であり、当社はこの株式の取得により、今後のB社の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる。
(計算過程)
取得したB社株式300株は、A社の発行済み株式総数1,000株の30%にあたり、当社は今後B社の営業方針の決定等に対し重要な影響力を行使することができますのでB社株式は『関連会社株式』の増加として計上します
B社株式の取得価額:300株×10,000円=3,000,000円
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
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関連会社株式 | 3,000,000 | 現金 | 3,000,000 |
『関連会社株式』勘定は子会社株式と合わせて『関係会社株式』勘定を使用することもあります。
(関連ページ)
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