外貨建取引・取引発生時の仕訳と換算

海外の企業に対し商品を販売した場合や海外の企業から商品を購入した場合などにおいて、取引の金額が外国通貨(米ドルやユーロ・ポンド・中国元など)で表示されている場合があります。このように、売買価額その他取引価額が外国通貨で表示されている取引を外貨建取引といいます(外貨建取引等会計処理基準注解・注1参照)。
外貨建取引であっても取引の記帳は外国通貨で表示された取引を日本円に換算し、日本円で記帳することになります。

外貨建取引について、取引発生時の記帳を行う場合には、原則として当該取引発生時の為替相場による円換算額をもって行うことになります(外貨建取引等会計処理基準第1項参照)。

例えば、アメリカの取引先に商品を販売し、代金として現金100ドルを受け取った時(取引発生時の為替相場は1ドル100円)の仕訳は以下のようになります。

借方 金額 貸方 金額
現金 10,000 売上 10,000

取引発生時の為替相場は1ドル100円です。受け取った金額が100ドルですので、100ドル×@100円=10,000円を取引金額とし、この金額をもって売上計上することになります。

なお、取引発生時の為替相場によるレートはHR(Historical Rate)と表示される場合もあります。試験問題などでは換算価値の略称の意味を間違えてとらえないようにご注意ください。

演習問題:外貨建取引発生時の記帳

ドイツの取引先より商品を仕入れ、代金は掛けとした。なお商品の購入価格は20ユーロであり、仕入時の為替レートは1ユーロ120円であった。

(計算)
仕入価格:20ユーロ×@120円=2,400円

借方 金額 貸方 金額
仕入 2,400 買掛金 2,400

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