外貨預金・外国預金の決算時の換算について

外貨預金・外国預金の預金残高の決算時の換算については、決算時の為替レート（CR）を使って換算します。

なお外貨預金の預け入れ時などにおいては、預入時（取引発生時）の為替レートを使って円換算し、当該円貨額をもちいて仕訳や記帳を行います。したがって保有する外貨建預金などについても、これらの当初の取引発生時の為替レート（または前期末の決算時の為替レート）で円換算された金額で記帳されています。

よって決算時において、外貨預金を決算時の為替レートで換算することにより換算差額が生じます。これは『為替差損益』として記帳し、決算時の損益（営業外損益）として処理します。

為替差損益＝外貨預金の帳簿価額－(外貨預金の外貨残高×決算時の為替レート)

演習問題：外貨預金の決算時の記帳

1.預金預け入れ時

外貨預金（米ドル建て）の口座を開設し、10,000円を現金で入金した。なお、口座開設時における為替レートは1ドル100円であり、外貨による預金残高は100ドルであるものとする。

借方	金額	貸方	金額
外貨預金	10,000	現金	10,000

2.決算時の仕訳

決算日を迎えた。上記の外貨預金（口座開設以降において口座残高の移動はなく、残高は100ドルのままであるものとする）の決算時の換算に関する仕訳を示しなさい。なお決算時における換算レートは1ドル110円であるものとし、利息については考慮しないものとする。

（計算）
決算時の円換算額：決算時の為替レート@110円×口座残高100ドル=11,000円
為替差損益：換算後の預金残高11,000円－換算前の預金残高10,000円＝1,000円（為替差益）

借方	金額	貸方	金額
外貨預金	1,000	為替差損益	1,000

外貨預金の残高は決算時の為替レート（CR）で換算します。したがって帳簿残高（口座開設時の為替レートで換算）と決算時の為替レートによる換算額が異なる場合は両者の間に貸借差額が生じます（上記設問では1,000円の貸借差額が生じています）。
この差額は為替レートの変動による差額であり、『為替差損益』という営業外損益の勘定科目を使って記帳し、当期の損益として処理します。